発症から初期治療まで

発症から診断、治療開始まで 

お子様が発症し、様々な症状がみとめられた場合、どういった流れとなるのかを説明します。


かかりつけ医や地域の医院等を受診した際、経験のある医師によっては症状から重篤な疾患の可能性にすぐ気付くこともありますが、多くは内科や耳鼻科等、いろいろ巡り、やっと「脳腫瘍」の可能性に行き着く事が多いです。それほど希少な疾患です。何かただ事ではないと判断されると紹介状とともに大きな病院への受診をすすめられます。

この病気は、脳神経外科のある専門病院への医療施設への入院は必須です。
その場合、小児脳腫瘍の臨床経験のある病院が望ましいです。ホームページ等でそういった記述があるか確かめてみるのもひとつの判断材料となります。全国の各地域には「小児がん拠点病院」の指定を受けた専門病院が設定されています。病院選択については、こちらのサイト等を参考になさってください


入院すると、まず、診断のためのMRI撮影、その画像による診断が行なわれます。
この「小児脳幹部グリオーマ」の場合、画像による診断で判断がつく場合がほとんどです。もし、判断がつきにくい場合、「生検」といって、手術で腫瘍組織の一部を取り出し、病理診断をするということがあります。しかし、脳幹にメスを入れるのでリスクも伴いますので一般的ではありません。多くは画像診断で判断されます。


外科的な措置として「水頭症」といって、腫瘍が脳に流れる脳脊髄液の流れを妨げ、脳を圧迫して様々な痛みや症状を起こす事があり、この手術として頭に管を通して脳脊髄液を腹部に流すという手術をする事があります。

また、点滴をし易くするために静脈に細い管を入れて腕の表面に出す手術、CVポート手術とか、中心整脈カテーテル手術等があります。これは、点滴や血液検査のたびに注射針を刺す負担を軽くする処置です。

診断がもし、「小児脳幹部グリオーマ」「びまん性正中グリオーマ」「脳幹部神経膠腫」(これらは、厳密には違いもありますが、ほぼ同じ病気と考えられます)、で確定したなら、このサイトや掲示板の情報がいろいろ役立ちますのでご参照ください。
主な議論はみんなの声アーカイヴのページに少しまとめてあります。その都度ご参考になさってください。


症状的にすぐに治療という流れになると思いますが、治療は「放射線治療」が提示されるはずです。
今現在、この病気に効果的な唯一の治療法となります。と、同時に医師の判断によって放射線と抗がん剤(テモダール、アバスチン等)の併用療法を提示される場合もあります。しかし、それにより効果が高まる‥といった実証はされていません。初期標準治療は、放射線のみの単独治療が臨床試験で証明されている治療法です。抗がん剤の併用は、放射線に加え、抗がん剤の副作用も重なることになり、好ましくはありません。必要性の説明を医師に求めてください。


治療による脳の腫れを抑えるため、副腎皮質ホルモン・・ステロイドの処方や、吐き気止めの処方等があると思います。

北海道在住の脳外科医 澤村豊先生のホームページは、おそらく日本で最も詳細で信用できる情報が掲載されています。ぜひ一度アクセスしてみてください。


各公的支援制度の申請 

入院時には、公的支援制度の申請をします。
これにより、がん治療という高額な治療が補助され、ご家庭の経済状況にあまり関係なく、どなたでも治療が可能となります。


病院より「小児慢性特定疾病制度」という国の支援制度の手続きを求められます。これは速やかに手続きされてください。各ご家庭の所得状況により、治療費の多くががほぼ免除されます。これには、「重症」と「一般」という区分があり、所得により、自己負担金に2500円から5000円程度の差があります。
DIPGの場合は、「悪性新生物」のカテゴリーとなりますが、申請時に「再発・転移と濃厚な治療」という条件に合致しないと「重症」にはなりませんので、通常は「一般」での取得となります。
自己負担金は、お住まいの各自治体の小児医療助成制度を併用することで、精算され実質無料となります。
また、自治体により条件がありますが、入院食や、在宅療養時の日常生活用具購入の補助も受けられます。
小児の場合、医療費の支払いは、全額を各自治体の小児医療費助成も使用できますが、「小児慢性」の場合、国と地方自治体がそれぞれ半分ずつ費用を負担しており、高額ながん治療の場合、地方自治体の財政状況を考えると、自治体が全て負担する小児医療費助成より望ましいです。しかし、入院直後に、書類を揃えて保健所まで申請に出向く必要もあり、それがどうしても難しい場合は、日常生活用具購入の補助はできませんが、とりあえず小児医療費助成でも差し支えはありません。
また、地方自治体によって扱いは異なったりする事がありますが、特別児童扶養手当という制度もあり、月額数万円の補助があります。病院のソーシャルワーカーに相談してください。逆に、気が利かない施設ですと、これらの制度の紹介が病院側より無い場合も考えられます。大きな病院ならソーシャルワーカー、相談員という職種の方がいると思うので、ぜひこちらから申し出てください。


「身体障害者手帳」の取得。「えっ、身体障害?」と思われると思いますが、上記の制度の手続きの目処がついたらこちらの申請も考えていただければと思います。これは後々の療養生活に必要な援助が得られます。医師、ソーシャルワーカーにご相談ください。申請から認定までは2ヶ月は必要となります。申請は煩雑ではありますが、できましたら初期診断時の失調症状が残る時、つまり、小児慢性制度と同じタイミングで主治医に申請書類を依頼し、退院直後に手帳を取得できれば理想です。そのあたりの話をこのページにまとめてありますのでご一読ください。

「若年がん患者在宅療養生活支援事業」は、各自治体が独自に行っている支援制度です。多くの自治体が実施しています。小児慢性利用者では、日常生活用具購入の補助はできないようですが、在宅入浴介助や在宅介護はできる自治体が多いようですので、ホームページ等で確認の上、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。


ひとまず上記のような流れで初期治療へと治療が進むと思います。
決して簡単な病気ではありませんが、当掲示板には同様の経験者がいらっしゃいます。何でもご相談いただければと思います。 

※小児脳幹部グリオーマ(DIPG)の病気の解説はこちらへ

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