生検の安全性についての論文

以下は、海外で行われたDIPG(びまん性橋神経膠腫)の定位的生検後の生存率および神経学的転帰に関する論文です。
いくつかの論文から総合的に検証し、結論を出しています。

 

📘 論文情報

・タイトル:Survival and neurological outcomes after stereotactic biopsy of diffuse intrinsic pontine glioma: a systematic review

・著者:Mahalia Dalmage, Melissa A. LoPresti, Prottusha Sarkar, 他

・掲載誌:Journal of Neurosurgery: Pediatrics

・巻号・ページ:第32巻、第6号、665–672ページ

・出版年:2023年

・DOI:10.3171/2023.7.PEDS22462

・PubMedリンク:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37724839/  

 

🔍 主な内容と結果

・対象研究:2634件の文献から13件を選定し、192人の小児DIPG患者のデータを解析

・平均診断年齢:7.5歳(範囲:0.5~17歳)。

・神経外科的合併症率:13.02%(25/192例)。

・最も一般的な合併症は脳神経麻痺(4.2%、8/192例)で、第VII脳神経が最も頻繁に影響を受けた。

・その他の合併症には、周術期出血(3.6%、7/192例)、片麻痺(2.1%、4/192例)、言語障害(1.6%、3/192例)、運動障害(1.0%、2/192例)などが含まれる。

・水頭症は0.5%(1/192例)で報告され、創部感染や髄液漏れは報告されなかった。

・生検に直接関連する死亡例は報告されていない。

・診断的有用性:生検の診断的有用性は平均97.4%(範囲:91%~100%)と高かった。

・生存率:生存データを報告した研究では、37.6%(32/85例)の患者が追跡期間中に死亡。

・平均全生存期間は9.73か月(標準偏差0.68か月、中央値10か月、範囲6~13か月)であった。  

 

🧾 結論

 

この論文では、DIPG患者における定位的生検が比較的安全であり、診断的有用性が高いことを示しています。生検により得られる分子および遺伝的情報は、予後の評価や将来的な治療戦略の開発に寄与する可能性があります。したがって、DIPGの診断と治療において、生検は重要な役割を果たすと考えられます。

 

■ 生検による神経外科的合併症の発生率

・全体の合併症率:

13.02%(192例中25例)

 

■ 主な合併症の内訳(複数回答あり)

 

合併症の種類 発生率(%)

(件数/症例数)

 

・顔面神経麻痺(第VII脳神経) 4.2%

(8/192)

・周術期出血 3.6%

(7/192)

・片麻痺 2.1%

(4/192)

・言語障害 1.6%

(3/192)

・運動障害 1.0%

(2/192)

・水頭症 0.5%

(1/192)
 

感染、CSF漏れ、死亡 0% 0件

 

要点

・重篤な合併症(不可逆の後遺症や死亡)は報告されていない

・多くの合併症は一時的または軽度であったとされ、手術の安全性は高いと評価されている

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