2015年5月 アーカイブ
2015年5月29日 2時16分10秒 (Fri)
西尾温文氏大阪講演会を開催しました。
西尾温文氏関西講演会「子どもを亡くした親のグリーフケア」
~パパとママの気持ちの違いと、心の移り変わり~
5月16日(土)、昨年、11月の「子どもたちのグリーフケア」に続く西尾温文先生によるグリーフケア講演会を、大阪のアフラックペアレンツハウスのセミナールームに場所を移して行いました。13名の方のご参加を得て、響メンバーも合わせ、30名前後での聴講となりました。 今回のテーマは子どもとの死別に際しての男女・・すなわち夫婦の気持ちの違いについてです。 子どもの闘病、そして死別という経験を父親と母親はどう認識し、お互いをどう考えているのか。すれ違うそれぞれの思いを理解するには何が必要なのか・・・。 今回の西尾先生の講演は、40分のお話の中にグリーフケアという範疇にとどまらない深い意味を含んだものになりました。内容は多岐にわたっていましたが、聴講したチーム響のメンバーそれぞれの感想を記します。
●boroのレポート
○パフォーマンス
まず、お話の冒頭、聴講者を立たせ二人組になって向かい合って双方の手を合わせ、片方が目を閉じて、目を空いている者が手を動かし、その手の動きに合わせて片方が付いて行く・・・というパフォーマンスを全員が行いました。この意味は・・・「触れる」ということ。触れ合った手の感触や体温を感じながら相手を思いやりながら触れ合うということ・・・。このテーマが本講演の基調となっていたように思います。
○子どもを亡くした親の悲嘆の特徴
すべての元になるのは「子どもは元気に成長するという仮定の崩壊」です。 この仮定の崩壊の衝撃が親としての役割、夫婦関係、家族関係や個々の精神に影響を及ぼします。 自責の念から鬱になったり、そこから逃げようとして他者に責任を転嫁したりということが現れます。 私自身、子どもが親よりも早く天国に行くことなど、想像できませんでした。 それは、闘病末期を経て実際に息を引き取る瞬間まで信じられない事実です。
○欧米の研究、子どもを亡くした母親の反応より
・亡くなった子どもを探したいという強い気持ちを経験する。
これは個人的にも本当によく分かる衝動の指摘です。幽霊でも何でもいいから我が子の姿をもう一度見たい・・探したいといつも思っています。
○死別の理由
子どもとの予期しない死別の理由を挙げる問題が出されました。 事故、殺人、地震、火事、自死・・・そしてもう一つ「戦争」というのが正解でした。 この戦争は日本人ではなかなか思い当たらない答えです。ある意味ショックでした。すべての前提となる平和に感謝です。
○男女のずれ
本講演のテーマである夫と妻の考えのずれの問題・・・これは先生の実体験に基づくお話となりました。 ・子どもを亡くしてから17年、先生と奥様がどんな心中であったかというのを一言で表す言葉が「孤独」です。 亡くしてからも家族の生活は続いていたわけですが、一緒に暮らしていても、それぞれ「孤独」を内面に抱え続けていたというお話は痛切で、共感してしまいました。
・闘病、そして死別という仮定で噴出する夫婦の考えの齟齬は、実は子どものこと自体が原因ではなく、その以前からあった夫婦の問題が、病気をきっかけに表に出たものであり、問題の本質は子どもの病気・死別とまた別の所にあるということ。
・先生の経験として、母親も働き経済を支えていた面があるので、子どもに付き添いたいという希望を十分に果たしてあげられなかったのが後悔としてある。 これは、多くの一般的な家庭では逆の事態となり、父親がお子さんに付き添っていられない社会的な立場があり、そこから母親だけに任せっきりという所から来る夫婦の問題も立ち上がってくると思いました。
○草野心平の詩
草野心平は、福島県いわき市出身の詩人です。「蛙の詩人」と言われるほど、蛙に関した詩を多く残しています。 その中から「エレジー」という詩を朗読してくださいました。
・このブログで読めます。一番下の詩「エレジー」です。
http://guweiliang.blog.fc2blog.us/page-5.html
・詩に関してはここも参考になります。
http://penguin-pete.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-1050.html
この詩の解釈はいろいろあるでしょう。 私は性と生と死・・のようなものを強烈に感じました。
多くの者が愛し合い、生まれ、そして突然多くが死んで行く・・・、生きるということの厳しさ理不尽さと、そこから逆に立ち現れる生の眩しさ、素晴らしさの強烈な光をこの詩から感じました。 この諦観的な世界は、私たちのような経験をした者には一層理解できるのではないでしょうか。 他の詩も読みたくなりました。
○野口三千三の言葉
野口三千三は、先生が学生時代から通っているという野口体操というトレーニングの創始者です。
・参考サイト
http://ja.wikipedia.org/wiki/野口体操
http://www.noguchi-taisou.jp
先生が敬愛する野口先生の言葉の引用、これは本講演の結論とも言えます。
・豊かさとは、「ちょっと・少し・わずか・かすか・ほのか・ささやか・こまやか・・・」 というようなことを「さやか」に感じる能力から生まれる
・「さやか(爽)」という感じを持つ事ができる状態を「しあわせ(幸)」という。 「さやか」とは六十兆の細胞の「風通しがいい」ことである
ほんの少しのささやかなものごとにこそ価値があり、幸福がある。そのことへの感受性を高めようということでしょうか。 喪失したがゆえに、私たちは、ごく普通の日常の素晴らしさを嫌というほど知りました。 しかし、そこから直に絶望とかネガティブなモードに入る前に、そんな中にもささやかな希望を感じることができる感性を得たいものです。
「さやか」とは六十兆の細胞の「風通しがいい」ことである・・・素晴らしい表現ですよねー。
○夫婦としてできること
・触れること ・寄り添うこと そして、最後に冒頭の「触れる」ということに還って行きます。 「触れる」・・・掴むとかではなく、そっと寄り添い触れること・・言い争うのではなく話を聞くこと、そばにいてあげる事・・こわばりをほぐすこと・・・そういった「ささやかな」お互いの思いやり・・分かってはいてもその距離感がとても難しいのですが。 そのためにも「さやか」な感性が必要なのでしょう。
以上、取りこぼしている事項もありますが、印象的だったものを挙げました。 先生はこれらのお話を通じて何を伝えたかったのでしょうか。 結構難しいお話でした。しかし、私個人的には、ご自身も含め、やはりこういう経験をしてしまった後も人は生きていくものだ、ということ。 グリーフケアの知識もさることながら、たとえ孤独でも我々にも生きて行く方法はあるのだ、生きなさいという励ましと、そのヒントの一端を与えられたような気がしています。
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■キラキラさんのレポート
?グリーフの定義
重要な他者との別れは苦痛を伴う体験であり、悲嘆(grief)はこのような苦悩による心理的反応である。
? 保護者のグリーフケア ・タイプによりリスクは違う。
・死別のタイプ…事故、殺人、地震、火事の災害、自死、戦争。
・子どもが事故死、がんで亡くなった場合の比較…より強い悲嘆、鬱的、自責の念を抱くのは事故死。
・予期悲嘆は軽くならない。 ・本来、ほっといてもスクスク育つ。と思っていた事が崩れる。
・家族として、夫婦としてきつい状態になる。
・泣くこと=悲しみの感情を出せる。
・人の生きる基本(先生の考え)性、食、働、休の4つ。抑うつの方にはこの4つを聞く。子供を亡くした時はこれらがうまくいかなくなる。
?夫と妻のずれ
・家の中ではお互いに自分の事で精一杯、全てを理解するのは難しいのでグリーフケアの場が必要。
・相手の哀しみはどうこうできない。
・聞いてあげること。
・黙ってそこにいてあげること。
2部の最後に先生が述べてた内容
一般的に 母(女性)は情緒的。病気の事よりも我が子と一緒にいたい。 感情を読み取ることができる。 父(男性)は理屈的。病気について詳しく知ろうとする。感情を読み取るのは下手 ・お互いの支え方は様々、 相手の足りないところを支え尊重していくことが大事 ・病気によって夫婦関係が崩れる事はあるが、それは病気が引き金となるだけで、元々のパートナーシップに問題がある
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■まきさんのレポート
死因に『戦争』が浮かばない日本に生まれたこと。誇りに思います。。 わたし的には先生の実際の体験談が印象に残っています。 たまごの時間では、ご自分の経験を話されることがほとんどなかったので。 何か病因を探してしまう。 どの家族も同じような経験あると思います。 そして、夫婦の考えの違い。私達のような闘病経験なくても、永遠の課題ですね!
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■PAOさんのレポート
最初のパフォーマンスを、後からじっくり意味を考えてみました。
「夫婦とは言え、他人。他人の意思に寄り添うにはどうしたら良いか?それは、全身全霊で受け入れること、与えるものでない。また、そうしてほしいと訴えるものではない。ただ、相手を尊重し寄り添うだけだ」 という、深い意味があったように感じます。
まず、目を閉じた相手の手のひらと、自分の手のひらを合わせます、自分は左右、上下、斜め、円、自由に動かします。 相手は、その動きを手のひらから感じ、その動きにゆだねながら、手を動かします。 ここでのポイントは、いかに自分の意図を押し殺して、相手の事を考えて動かすか?です、 目を閉じた方も、自分の意図を押し殺して、相手の意思に答えます、 ここに、講演会の最大の答えが詰まっていたように感じます。 単純なゲームを通し、先生が伝えたかった事、理解した気がします。
また、詩について、 私の普段やってる事と同じだなーと思いながら聞いていました。
娘は居ないけど、今きっと笑ったなあ、今きっと誉めてくれたなあー。 そんな風に、日常のふとした風景、風、太陽、星、雨、 しんどい雨ですら、「私が花に水を上げ忘れたから、雨を降らせてくれたんだ」 台風でさえも「風邪が流行ってるから、乾燥しすぎを止める為に大量の雨を降らせてくれたんだ」「今日は疲れているから、家に居なさいって言ってるのだ」 この蛙さんのように、何かに付けて 娘の贈り物だと感じています、 私はそう詩を感じました。
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■はるこさんレポート
「触れる」のレクチャーで、感じたのは 紙一重 みたいな、薄~い神を二人の掌に挟んでいて落とさないように相手の動きを感じ取る というように思いました。つまり、感情にもふみこむのも紙一重なんですよね。 その紙一重を介入しすぎず、感じ取ること。 夫婦間で、それができるように心のを磨きなさいって言われたように受け止めもした。
講演会の感想としては私も先生としてのお話ではなく、同じ経験をされた方のお話として納得のいくものでした。17年経って奥様と一緒に振り返りをされ出た言葉が孤独であった‥とのこと。 そして17年も経って初めて振り返りをされたこと。
ああ、これでいいんだと思いました。自分の今後の歩みの先を少し示していただいた、そんな気持ちになりました。 孤独でいいんだ。17年経っても同じなんだ。そう思うことが私にとってのグリーフケアになりました。
やはり、同じ経験をしたものが今の自分の気持ちを共有してもらう事が大切だと改めて感じました。
それから男女のちがい。 女は感情、男は理屈って言われて納得でした。 所詮、別の生き物であり、男性は悲しすぎて、この事に向き合えないこともあり、だから仏壇に手を合わさなかったり、子供の話をさけたり、ママに優しい言葉をかけるより、触れないほうがいいと思っているのかもしれない。 「ほほぅ~」と思いました。 ママは思い出話をしたい、ああすれば良かった、こうしたら良かったと考えを口にしたがる。・・・そんな2部の意見が参考になりました。
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このように実に様々な感想が飛び交いました。
ひとつ言えるのは、これは先生ご自身も経験者だからこそ成立した講演内容だったということとです。 前回の子どもの気持ちと違って、今回はご自身そのものをさらけ出していた感じもします。 ですから、ある意味重く、噛み砕くのは難しいところもあったかもしれません。 でも、いつかどこかの場面でいろいろなことを反芻できる内容だったと思います。 それは、グリーフケア研究者の発表とはまた違うグリーフへのアプローチであり、「本当の言葉」の数々だったと思うのです。
お忙しいなか、大阪のみならず、近県からもお越しいただき、参加者の皆様ありがとうございました。心より御礼申し上げます。
そして、一日おつきあいいただいた西尾先生に感謝いたします。
少ない人数で開催運営となった関西・中部スタッフご苦労様でした。
当会としても関西での活動をもっと活性化したいと思っております。今後も会員の皆様のご協力をいただければと思います。
2015年5月25日 0時00分23秒 (Mon)
2015年5月のカフェ響 関東
日時:5月22日(金) 11時半~15時
場所:池袋
参加人数:大人11名・子ども1名
連日の暑さが少し和らいで、5月の爽やかな風を感じる金曜日、カフェ響が開催されました。
今回は初めてやお久しぶりに参加の方々が多かったのですが、初対面同士でもすぐに打ち解けてたくさんのお話をされていました。
カフェ響が始まって2年半になります。
途切れる事なく開催して下さった事に本当に感謝したいです。
何度参加しても、皆さんに会えるとホッとして癒されます。
子どもを亡くしても普通に生活するのには、慣れて行きますがどこかしらいつも無理をしている気がします。
分かってくれる方に子どもの話をする時でも、相手も自分も少なからず気を使っているとは思いますし、
全く知らない方に話をしようとすれば、誤解なくすべてを理解してもらうには相当な根気と話術が必要だと思います。
でも、カフェではどんな話でも分かってもらえるし力強く共感してもらえます。
皆さん色んな葛藤を抱えているんだと、一人だけじゃないと安心します。
失ったものの大きさに耐えながら日々闘って来た仲間達に会って、一息つける憩いの場のような・・・ってかっこ良く言い過ぎかもですがそんな感じです。
この場がある事で救われる方がたくさんいらっしゃって、またしばらく参加してなくても戻って来れる場がある事はとても大事で、これからも長く続いていくと良いなと思います。
お久しぶりに参加された方が赤ちゃんを連れて来て下さいました。
亡くして数年経って、それぞれに活動を始められたり、他の会に参加している方々の報告もありました。
初参加の方からは数年前には出来ないと言われていた放射線再照射のお話も先生からあったと伺いました。
これからのカフェで新たな出会いや情報が得られる事もとても楽しみです。
もちろんいつかこの病気が治る病気になって、新たに参加する方もいなくなる事を願います。
そしたらその時は私達の子ども達のがんばりを讃えてゆっくりお茶でもすすりたいです。
文・いくこ
2015年5月3日 12時45分35秒 (Sun)
ゴールドリボンウォーキング2015に参加しました。
4月25日(土)、ゴールドリボンネットワーク主催の「ゴールドリボンウォーキング2015」に当会メンバー20名が参加しました。幸い絶好のお天気となり、日比谷公園から皇居周辺を楽しく散策しながら歩くことができました。
前回、患者会ブースでお留守番だった私(boro)も、今回はウォーキングに参加、休日の都会の朝って気持ちがいいですねー。
皇居って、よく考えたらほとんどちゃんと見るのははじめてでした。大きな石垣とお堀に映る緑が印象的でした。
皇居を出ると有楽町周辺のビル街や商業地域に入ります。平日のビジネス街のギスギスした雰囲気とは違って、道行く人皆さんまったりとした印象、有楽町駅前のお洒落なレストランのランチタイムを横目に歩き続け、無事ゴールしました。
当会ののぶちんさんは、見事に一位でゴール。さすがスポーツマンです。子どもたちも頑張りましたね。
これは、小児がんの啓蒙・啓発イベントなのですが、私たちにとっては、グリーフというまた別の意味合いがあります。ウォーキングの最中、それぞれのお子さんの事を思い浮かべなかった方はいないでしょう。
そういった意味でもこういう機会を提供して下さってるゴールドリボン様には感謝致します。
その後、ステージでより子さんの歌に涙し、マーチングバンドを鑑賞して2時頃終了しました。そのあと希望者は打ち上げに。こっちも盛り上がりました。
翌日、案の定、筋肉痛になりました。ダメですねー・・・。
ともあれ、良い一日でした。ご参加の皆様、お疲れ様でした。
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