2014年07月 アーカイブ

2014年7月23日 0時47分47秒 (Wed)

グリーフ・グルメ・キャンプ

グリーフ・グルメ・キャンプ画像 先月お会いした順天堂大学病院の心理士、西尾温文先生が主催するegg tree houseというグリーフケア講座のキャンプ企画に参加させていただきました。
当会からは、私を含め、4家族が参加しました。
7月19日から21日までの二泊三日、新潟県の湯沢にあるロッジで行われた企画でしたが、いや、素晴らしいイベントでした。
今までやって来たキャンプ教室のノウハウを全部3日間に詰め込んだと、先生は言ってましたが、そのエッセンスを一言で言うと、グリーフ・グルメ・キャンプとでも呼びたいほど、「食事」にこだわった企画でした。
参加者は、かまどに火を起こし、ご飯を作り、食べ、かたずけて、また、次のご飯の準備をするという繰り返しですが、そのなかで立ち上がってくる、会話とか、仲間意識とか、作業に没頭している中で思い出す過去とか、そして食という事への、ひいては、生への感謝など・・・少しだけ、機械化されて便利な文明と離れて、生きていることの原初に還ることで、心の中のこわばりが、少しずつ剥がれていく感じを覚えます。
参加者の方の感想に、家族の様子を見て、久しぶりに普通の日常が戻って来たのを感じたというのがありました。まさに、そういうイベントだったと思います。
成功の大きな要素として、子供は子供同志、大人は大人同士で過ごすといのも大きいと思いました。お子さんと離れることで、大人同士での交流に集中できるというのは、子育て中の家庭の普段の生活ではなかなか難しいですから。特にお母さん同士が同じ部屋で寝起きすることで、ママトークが充分展開できたということです。

そして、このような企画が実現できたのも、先生が率いるボランティアスタッフの皆さんの愛情あふれる素晴らしい働きがあってのことで、ここまでの膨大な下準備のご苦労を思うと、感謝で一杯です。本当に尊い活動をしていらっしゃるなと思います。

このように申し分のないイベントだったのですが、個人的な感想として「たまごの時間」という死別体験を各自話す大人同士の夜の集いは、ちょっとハードすぎたと感じました。お一人お一人がその経験を話すのですが、それはいいとして、経験者同士の会話の時間を持たなかったのは、なぜでしょうか。なぜひとりづつ告白して終わりなのでしょうか。少々、雰囲気がシリアスすぎ、厳粛さ真面目さが必要以上になるとなかなか会話もしずらいと感じました・・・しかし、あえてそういう時間を作った意味を今、頭の中でグルグルと考えています。このあたりに、西尾先生のグリーフ理論の核があるのかもしれません。

とにかく素晴らしい経験をありがとうございました。

当会では今秋、西尾先生をお招きしたイベントを企画準備中です。


2014年7月1日 2時52分41秒 (Tue)

西尾先生との対話

西尾先生との対話画像 子どもたちへのグリーフケアとは?
6月29日(日)、池袋にて、東京小金井で子どもたちへのグリーフケア活動を実践する西尾先生と会員6名が懇談会を行いました。とても充実した時間でした。その内容の一部を以下に記します。

西尾温文
※1998年4月に3番目の娘を神経芽腫で5歳と5ヶ月で亡くす経験をもつ。
治療により一時寛解するが再発、仕事の多忙さで再発の異変に気づくのが遅れたかもしれないという思いがある。
闘病当時の後悔として、当時、兄、小5、姉、小2という年齢ではあったが、この二人のきょうだい、そして娘本人に今後どのように過ごしたいか、治療やその推移についてちゃんと説明せず彼らの希望を聞かなかったということがある、

現在、順天堂大学病院で心理士として勤務、がん患者、家族の精神的ケア、遺族ケア、小児患者のあそびのサポートなどを行う。
一方、がんで母親を亡くした子どもの精神的ケアに関わったのをきっかけに子どもたちへのグリーフケアの必要性を痛感。グリーフケア団体egg tree houseを立ち上げる。

●子どもたちにとっての死の認識と悲しみ
幼児はまだファンタジーの中にいてお星様にいるとかそういうお話でも良い。でも、小学校5年生以上は大人とほとんどかわらない死への認識がある。
子どもにとっては、まず「不在」ということに対する違和感があるのだろう。
小学生低学年の子のお母さんから、弟がどういう風に亡くなったか教えてという質問があり、それは本人なりに死を理解したい思いがあるので話してあげてくださいと助言した。
死の現実は不可逆性にあり、亡くなった者は戻らない。
確かにそうだが、自分はそれだけではないと思っている。
何かの拍子に亡くなった娘と話している自分がいる。それは科学的には証明できないし、オカルト的な話かもしれないが、それをカウンセラーの立場として全面否定する気はない。人間は確かにそういうこともある。そんな話を受け入れて聞くことも大切である。
子どもは子どもなりのファンタジーの中にいて、星の王様になっているとかそういう話を信じている。それは大切にしてあげる。
そして、誕生日とか命日とか、節目、節目の日を大切にして行く事で自分の気持ちを成長とともに納めて行く。
子どもは悲しみがあっても、学校では、元気に過ごさなきゃいけないということがある。
自分の経験で言えば、妹の死を経験後、何も訴えてこなかった姉が、高校生になって問題を起こし、そのとき初めて第三者に悲しみを訴えたという。全くの赤の他人だから初めて言えたのかもしれない。

●亡くなったきょうだいをみんなに伝えたい
亡くなった者の存在を伝えたい理由は様々だと思うが、死ということの他者の受け止め方への想像力・・暗黙のマナーが人にはあるということが理解できる歳になるまでは、挨拶のように死者の話はするものではない・・ということがまだ理解できていない。だけど、それをやめなさいと頭ごなしにいうこともできない。きょうだいを失った孤独感や寂しさの発露かもしれない。先生がそれをうまくあつかってくれればいいが、何も分からない先生も多い。
自分の家には亡くなった娘の写真がそこら中に飾ってあり、兄や姉の友達がそれを見て初めて知って驚くということがある。
子どもたちを集めたグリーフケア活動は、みんなきょうだいが同じ経験をしているので、日常を離れ、そういった話も遠慮なく出来る空間としてある。

●親の変化を見る子ども
きょうだいの死によってPTAの参加などに消極的になった母親の変化を見て、昔の活発な母親観がくずれて疑問に思う子どもたちもいる。
子どもからの、昔の方が良かった。昔のようにやってという要求に、いろいろ気づかされ、以前のようにしようと努力している母親の話というのもある。

●一人っ子を亡くす
一人っ子を亡くしたお母さんのカウンセリングをしたことがある。
毎回、何か一つ亡くなったお子さんのものを持ってきてもらい、お子さんの思い出を語って、お子さんのことを教えてもらう。当然、涙、涙になるわけだが、それを何度かすることによって気持ちを納めていくという方法がある。
いままで鬱とかいろいろ精神科に診断されたが、はじめて娘のことを聞かれた。とても嬉しいです・・と言われた。
わりと効果がみられたが、同時に思い出語りは辛い作業であったらしく、しばらく診療に来ていない。
グリーフケアでは不幸くらべはしない。
きょうだいがいるから(悲しみが自分より薄いはず)・・・というわけでもない。
だけど大学生で亡くなった方を見て大学生まで生きていてうらやましいとも言っていた。


●社会の理解
グリーアケアはまだまだ知られていない。
自死で親を亡くした子どもが合唱曲で親が出てくるから歌えないと訴えても変えてくれない。学校の大人は何も分かってないから話したくないという子どももいる。
学校でも理解できる先生はほとんどいない。今、学校を回って説明をする活動をはじめている。
以前、スクールカウンセラーをやっていたときに、中学生でいつも泣いている子がいて、話してみると父親が自死で亡くなってその子が第一発見者だった。
みんながみんなではないが、子どもが精神的に病んで行くきっかけのひとつが身近な人の死である。
元気がないとか遊ばないとか変化に気づいて行く事が大事。
普段通りにやっていれば、まず健やかであると思っていい。

この他にも興味深いお話はあったのですが、参加者のプライバシーにも関わりますので詳述は避けます。
お分かりのように、どのお話にも、落ちというか結果というか答えはないのだなと思いました。
でも、それは当然で、人の気持ち悲しみは、安易に回答が出るものではありません。

ただ言えるのは、先生はとても話しやすい方だということです。
とにかく気持ちを理解してもらえるのではないかという物腰がおありになります。
やはり、人間を・・・子どもを心からお好きなのでしょうね。

まだまだ日本では理解が進んでいない子どものグリーフケアという分野。
当会としても何かできればと計画中です。

ご多忙の中、お時間を割いていただいた先生に感謝です。


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